▼ 裁決事例集 No.51 - 139頁 請求人は、平成元年12月に本件土地の元所有者の相続人から提起された当該土地の所有権移転登記抹消請求訴訟(本件訴訟)に係る弁護士費用9,087万円のうち4,336万円は、当該土地の買主に完全な所有権の引渡しを履行するためにも不可欠なものであるから、譲渡費用に該当する旨主張する。 ところで、所得税法第33条(譲渡所得)第3項によれば、譲渡所得の計算上、控除される譲渡費用は「その資産の譲渡に要した費用の額」とされており、この費用は、資産の譲渡を実現するために直接必要な支出を意味し、資産の維持・管理費用は含まれないと解されるところ、本件訴訟は、昭和21年の本件土地の贈与が虚偽表示又は錯誤により無効であるか否かであり、まさしく所有権の帰属に関するものと認められるから、本件訴訟に係る弁護士費用は、本件土地の所有権を維持するための支出であって、本件土地の譲渡を実現させるために必要な費用ではないと判断するのが相当である。 なお、最高裁判所は、本件訴訟について、平成○年○月○日の判決で昭和21年に本件土地の贈与事実があると認定している。 平成8年1月17日裁決 |
類似の国税不服審判所 公表裁決税務事例
買主に本件土地の所有権移転登記を了した後、当該土地の元所有者の相続人から提起された訴訟に係る弁護士費用は、譲渡費用に当たらないとして、請求人の主張を排斥した事例...
...
▼ 裁決事例集 No.51 - 139頁
請求人は、平成元年12月に本件土地の元所有者の相続人から提起された当該土地の所有権移転登記抹消請求訴訟(本件訴訟)に係る弁護士費用9,087万円のうち4,...
詳細を表示する
遺産分割の際に支出した弁護士費用は、所得税法第38条に規定する「資産の取得に要した金額」には該当しないとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.77 - 59頁
所得税法第38条第1項に規定する「資産の取得に要した金額」には、当該資産の客観的価格を構成すべき取得代金の額のほか、登録免許税、仲介手数料等の当該資産を取得...
詳細を表示する
訴訟上の和解により立木の対価の名目で支払われた金員は山林所得ではなく譲渡所得に該当し、訴訟費用、弁護士費用は譲渡費用に該当しないとした事例
...
裁決事例集 No.33 - 25頁
本件山林は裁判上の和解に基づいて譲渡したものであるところ、和解の譲渡価額算定の基になった鑑定書に立木の評価がなく、現況も立木としての価値が見いだせず、譲受人も立...
詳細を表示する
土地改良事業の施行地区内に所在する農地の転用を目的として譲渡する際に納付した農地転用決済金は、譲渡費用には当たらないとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.61 - 205頁
譲渡所得計算上の譲渡費用は、資産の譲渡のために直接かつ通常必要な費用又は資産の譲渡価額を増加させるために譲渡に際して支出した費用と解されている。
本件農...
詳細を表示する
土地改良区内の農地を宅地に転用して譲渡する場合に支払った土地改良法に規定するいわゆる農地転用決済金は譲渡費用には当たらないとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.66 - 97頁
農地転用決済金は土地改良法第42条第2項の規定に基づき土地改良区の土地の全部又は一部について組合員たる資格の喪失に際して、土地改良区の事業に関する権利義務の...
詳細を表示する
請求人らが土地の譲渡に際して支払ったコンサルタント料等は、譲渡所得の計算上譲渡費用に当たらないとした事例(平成23年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各...
...
▼ 平成26年6月4日裁決
《要旨》
請求人らは、共同住宅(本件建物)の敷地の用に供していた土地(本件土地)を譲渡した際に、親族が主宰する不動産仲介業等を営む法人(本件法人)にコンサ...
詳細を表示する
被相続人の損害賠償債務は、制限納税義務者である請求人の相続税の課税上、控除すべき債務には当たらないとした事例
...
▼ 裁決事例集 No.75 - 531頁
本件取得不動産には、被相続人に対する損害賠償請求権を保全するための仮差押えがされているのみであって、本件相続開始日現在、本件債務に係る留置権、特別の先取...
詳細を表示する
保証債務の履行に関連して支出した訴訟費用等は保証債務の履行に伴う求償権の範囲に含まれないとした事例
...
裁決事例集 No.23 - 92頁
所得税法第64条第2項に規定する「保証債務の履行」とは、その実質において主たる債務及び主たる債務に従属する利息、違約金、損害金等を保証人が肩代わりして弁済するこ...
詳細を表示する
新株予約権の行使に伴い生じた経済的利益は雑所得に該当し、また、新株予約権の取得についての情報提供者に支出した手数料は雑所得の金額の計算上必要経費に算入されるとし...
...
▼ 裁決事例集 No.76 - 136頁
請求人は、民法上の組合を通じて取得した新株予約権の行使による経済的利益は一時所得に該当する旨主張する。しかしながら、新株予約権を有利発行した法人は、その新...
詳細を表示する